払沢の滝までの遊歩道のちょうど中間あたりに位置する『木工房 森のささやき』さんです。
外観から一瞬、こんなところに郵便局!?と思ってしまうのですが、木工製品のお店です。
1階は、木工製品、クラフト、ファニチャーの展示と販売、2階は音楽会、木工教室などのイベントスペースになっているようです。
このお店で、個人的に一番興味を惹くのが、外に置いてある望遠鏡です。
ぶら下がっている札には「天狗の滝が見えます。合わせてありますので動かさないようにお願い致します。」と書いてあります。
天狗の滝が見えるのかと思って、まず肉眼で見てみると、遠くにほんとに糸のような細さの滝がかろうじて見えます。
肉眼ではあまりよくわかりませんが、早速望遠鏡をのぞいてみると、
はっきりと滝であることがわかります。
上から下に落ちる流れもはっきりとわかります。
このアイデアを考えた店のご主人には脱帽です。
この望遠鏡をのぞいていると、ご主人が「ピント合ってる?」と話しかけてきてくれました。
70歳前後(違ってたらすみません)の温和そうで気さくなご主人です。
しばらくお話しをうかがっていると、この建物は、元は本当に郵便局だったそうです。
元々、檜原役場近くにあったものを、一度分解して、ここまで持って上がり組み立てたそうです。
外壁の色も、ご主人があとで今の薄緑色に塗り替えたそうです。
家に帰って、森のささやきさんのホームページを見てみると、
"当建物は昭和4年10月に檜原村上元郷の「吉野家」が檜原郵便局舎として建てた物で昭和44年まで実際に使われていたものです。村の文化の懸け橋として村民に親しまれていたものを村民の皆様のご厚意により、平成 6年4月に移築完了することができました。"
とありました。
それにしても、遊歩道からはみ出して、山の斜面に建てたわけですので、ずいぶんとご苦労されたんだろうなと思いました。
どうりで、歴史を感じさせてくれるたたずまいだなと思っていたら、そうした歴史があったんですね。