払沢の滝に訪れるのは、今回で何度目になるでしょうか。
四季折々に違った表情を見せ、細かい水しぶきを含んだかすかな瀑風を浴びながら、ただただ滝の流れ落ちる音に耳を澄ませる・・・
そしていつまでもその場で眺め続けていたい・・・
来るたびにそんなふうに感じさせてくれるのが払沢の滝です。
そんな払沢の滝の魅力を共有できればという思いで、このサイトを作ってみました。
払沢の滝は、東京都多摩西部に位置する檜原村にあります。
山と川、見渡す限り緑に包まれた自然豊かな村で、そこにはゆっくりとした時間が流れ、ここが東京であるということをひと時のあいだ忘れさせてくれる場所です。
檜原村には、大小合わせ50を超える滝があるそうですが、その中でも払沢の滝は、日本の名瀑を選定した『日本の滝百選』の一つとして選ばれ、東京都としては唯一、この払沢の滝がその中に名を連ねています。
その檜原村を流れる北秋川の支流、セト沢にある払沢の滝は4段構造になっており、全段の高さは約60mですが、実際に目にすることができるのは、最下段の26m部分です。
少し見る場所を変えると、その上の3段目が少し見えます。
払沢の滝の名称は、流れ落ちる様が、僧侶の使う払子(ほっす)が垂れたように見えたことに由来するそうで、見事な放物線を描いています。
また、滝壺には大蛇が棲むと信じられていたそうで、エメラルドグリーンに透き通り、とても神秘的です。
滝壺手前には平らな岩があり、そこに降りてみると、滝の迫力を間近で感じることができます。
夏場など思わず入りたくなる衝動に駆られますが、地元の住民の方が、飲料水として利用されているらしく、中に入ることは厳禁です。
見物する場所は、階段状の岩を登り、少し開けたゴツゴツとした岩場に腰かけて見ることもできますが、人が多いときは混み合いますので立ってみることになりますが、それでも目と鼻の先に迫力のある払沢の滝を堪能することができます。
その場にいるとわかると思いますが、滝壺にたたきつけられた微粒な水しぶきが心地よい瀑風に混じって肌にあたります。
檜原村の刊行パンフレットによれば、払沢の滝の周囲はマイナスイオンが充満しているそうで、マイナスイオンは、血圧や血糖値を下げたり、興奮を抑制する効力があるそうです。
また、檜原村の面積の93%を森林が占めており、森林からはフィトンチッドという健康有益物質が大量に放出されているそうです。
払沢の滝に来るたびに、少し癒された気持ちになるのは、こうした効果があるのかもしれません。
秋の払沢の滝
払沢の滝と紅葉というシチュエーションを思い描いて行ってみたのですが、紅葉部分は上の方のわずかな箇所だけでした。
くどくなくてこれもいいですが、少し物足りなさを感じました。
檜原村を歩けば山々の紅葉が楽しめますので、紅葉は払沢の滝のついでに足を延ばして見るのもいいかもしれません。
冬の払沢の滝
真冬に行った時の凍結した払沢の滝です。
詳しくは、払沢の滝の凍結をご覧ください。
私は、檜原村にある他の滝も数々巡ってきましたが、中にはちょっとした登山かと思うぐらいの山深いところに遭ったりする場合もありますが、この払沢の滝は、比較的整備されており、最低でもスニーカーをはいた程度の軽装で、だれもが気軽に行けるのも魅力の一つだと思います。
そうはいいましても、一応は山の中にありますので、天候に応じて、それなりの準備、心構えは必要かと思います。
都心からでも数時間で行けますので、日帰りの気軽なレジャーには最適ではないでしょうか。